卒論・レポートの参考文献で迷いやすい点
本と論文の基本の形が分かっても、同じ著者の文献が重なったときや、翻訳書・新聞記事を引くときに手が止まります。迷いやすい 5 つの場面を順に確かめます。
同じ著者の文献が複数あるとき
著者名の順に並べる形式(和文一般形式、APA 風 日本語版)では、同じ著者の文献を発行年の古い順に並べます。2 件目以降も著者名は省かずに書きます。
同じ著者の文献が同じ年に 2 件以上あるときは、年の後ろに a、b を付けて区別します。本文中で引用するときも「(大野 2020a)」のように同じ記号を使います。和文一般形式では次のようになります。
- 大野拓也(2020a)『聞き取り調査の進め方』青葉書房.
- 大野拓也(2020b)「商店街の変化をどう記録するか」『地域調査ノート』8(1),12–27.
文献そろえでは、年の欄に「2020a」と入れると、そのまま出力します。番号方式は本文中で番号を使って文献を区別するので、a、b は付けません。
提出先(大学・学部・ゼミ・投稿先)に規定があれば、ここに書いた形よりもそちらを優先してください。
著者が 3 人以上のとき
文献リストでは、和文一般形式と APA 風 日本語版は著者を全員書き、「・」でつなぎます。
小林真理・加藤大輔・吉田恵・山口翔(2022)「大学生の読書習慣と学習時間の関係」『教育心理学ノート』34(2),115–128.
理系の投稿誌で多い番号方式では、3 人までは全員を書き、4 人以上のときは 3 人目まで書いて「ほか」とします。欧文の文献では「et al.」です。
小林真理,加藤大輔,吉田恵ほか:大学生の読書習慣と学習時間の関係.教育心理学ノート,34(2):115–128,2022.
Garcia ML, Brown T, Nguyen L, et al.: Soil microbial diversity under long-term crop rotation. Applied Soil Science 78(4): 1023–1037, 2023.
本文中の引用では、著者が 3 人以上のときに 1 人目だけを書いて「小林ほか(2022)」とする書き方が多く使われます。文献リストのほうは、形式の決まりどおりに書きます。
翻訳書
翻訳書は、原著者を著者にし、訳者の名前に「訳」を付けて書名の後ろに書きます。年と出版社は、手元の翻訳書のものです。原著者の名前は、翻訳書の表紙や奥付(本の最後にある発行日などの欄)のカタカナ表記のとおりに書きます。
文献そろえには翻訳書専用の種別がありません。種別を「本」にして、版の欄に「森下葉子訳」のように訳者を入れると、書名の後ろに訳者が入ります。和文一般形式では次の形です。
エミリー・ハリソン(2019)『伝わる実験レポートの組み立て』森下葉子訳,みなと出版.
番号方式では「エミリー・ハリソン:伝わる実験レポートの組み立て.森下葉子訳,みなと出版,2019.」となります。原書の書名や発行年まで書くかどうかは、提出先によって違います。
和文一般形式でツールを開く新聞記事
新聞記事で要るのは、記者名(書かれていれば)・記事の見出し・新聞名・発行年月日・朝刊か夕刊か・掲載面です。記者名が無い記事は、新聞名を著者の位置に書きます。
文献そろえには新聞記事専用の種別がありません。種別を「その他」にして、題名の欄に記事の見出し、自由記述の欄に新聞名から後ろの情報を入れます。和文一般形式では次の形です。
森下葉子(2025)「駅前の再開発、来春に着工へ」『みなと新報』2025年5月12日朝刊,3面.
この例では、自由記述の欄に「『みなと新報』2025年5月12日朝刊,3面」と入れています。番号方式は最後に年が付くので、自由記述の日付を「5月12日朝刊」のように月日だけにすると、年が重なりません。
新聞社のサイトで読んだ記事は、ウェブページの書き方に合わせて、URL とアクセス日を書きます。
学位論文
学位論文(博士論文・修士論文)は、著者名・年・論文の題名・大学名・学位の種類を書きます。和文一般形式では、題名を「」で囲み、大学名と学位の種類を続けて書きます。
山本さくら(2020)「里山における外来植物の分布と土地利用の変遷」青葉大学博士論文.
SIST 02 風では、大学名、年、学位の種類の順に「,」で区切ります。
山本さくら.里山における外来植物の分布と土地利用の変遷.青葉大学,2020,博士論文.
文献そろえでは、種別を「学位論文」にして、学位の種類の欄に「博士論文」「修士論文」と入れます。学位論文の内容が後から雑誌論文や本として出ている場合は、読んだほうを書きます。
文献リストの並べ方
和文一般形式と APA 風 日本語版は、著者名の順に並べます。番号方式は、本文に出てきた順です。2 つの方式の違いは番号方式と著者年方式の違いで説明しています。
文献そろえの著者名順の並べ替えは、漢字の読みを判定できないため、日本語の著者名が五十音順になりません。日本語の文献は、並べ替えた後に手で順番を直してください。